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鳩の夢


それは、ひんやり冷たい日だった。
私は初めて、自分が空を飛んでいると自覚できた。
跳んでいるのではない。飛んでいるのだと。
翼というには不甲斐ない丸い翼で、空をひとかきすれば、いつもの空が下 に見える。
私は空を飛んでいるのだ。
烏よりも、鷺よりも、鷹よりも、鷲よりも、かつて生きた先祖の誰よ りもよりも美しく。空を蹂躙するかのように。


何か、得体の知れない音がして、私は気がついた。
目を開けているのだか、閉じているのだか、何も見えなかった。
地面が近い気がして、いつものように翼を閉じた。
私は空を飛んでいたのだ。
着地と同時に私は三回跳ねた。


わたしは、鳩が死んでいるのを、また、見た。
昨夜の激しい雨に打たれて、特有の輝きを失い、一瞬、何の鳥だか分から なかった。

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